ネット選挙運動で気になるニュースを紹介します。
参院選(21日投開票)では、インターネットを使った選挙活動が解禁された。マスメディアやネットメディアが初の「ネット選挙」にどう取り組んだのか取材した。【柴沼均、岡礼子】
◇意見交換に一役
ネット選挙解禁で、自由な意見交換、投票を促すことが可能になり、ネットメディアは情報技術(IT)を生かした実践を始めた。
ITベンチャーのアプリヤ(東京都港区)は、ツイッター、フェイスブック上の候補者のコメントや写真を集約するサイト「ソーシャルタイムス」を1日、開
設した。ツイッターのリツイート、フォロワー(閲覧者)数、更新頻度などを勘案し、各候補者の活用度も表示する。政党や地域を絞って閲覧することも可能
だ。候補者に対する有権者の投稿も表示されるため、両者のやり取りが把握しやすい。
アプリヤの海野雄史プロジェクトマネジャーは「将来は、候補者と有権者が意見交換できるメディアにしたい」とし、候補者に対しては「選挙の時だけネット
を活用してもだめ。日常的に、有権者とどのようにコミュニケーションをするかが重要だ。ネットが意見交換の場になれば政治を身近に感じられるのではない
か」と指摘した。ヤフーも同様に候補者ページを作っている。
ニコニコ動画を運営するドワンゴはネット党首討論会など、選挙関連のイベントを生中継。視聴者のコメントを受け付けているほか質問も募るなど、活発な意見交換に一役買っている。
また、ドワンゴは、若者の利用が多いグリー、ライン(LINE)などネット事業6社と、ネット選挙を盛り上げる企画を共同で実施している。ネット選挙の
解説動画を配信したほか、各社の利用者を対象にした投票予定アンケートもした。グリーは「若い有権者に選挙に興味を持ってもらいたい。一方的に情報を提供
するだけでは若者には届かない。ニコニコ動画などを中心に、意見を言える場を提供していく」という。
サイバーエージェントは4、5日、SNSサイト「アメーバピグ」で、仮想の「街頭演説会」を開いた。民主、自民、公明、日本維新の会の4党が参加し、計
12万人が訪れた。4党が事前に提出したあいさつやコメントを、画面上の人形が話す形で表示した。参加者から「選挙は21日だった」「選挙行った方がいい
かな」などの投稿があったという。ピグは登録者1500万人で、20~30代の女性が約8割を占める。
◇新聞、ビッグデータ分析 「選挙後に成果生かしたい」
ソーシャルメディアを使って、投票を促す取り組みも活発化している。NPO法人「YouthCreate」は、ツイッターで投票を呼びかける
「FIRST STEP」を始めた。事前に利用者が「みんなで投票にいこう」などと登録した文言を選挙前日にツイッターで一斉に流す試みだ。原田謙介代表
は「投票率の低い20代でも3人に1人は投票しているが、友達同士で選挙の話はしにくい」として、「ネット上の『口コミ』で、身近に感じて、投票に行って
もらえるのではないか」と期待する。
朝日新聞は、ビッグデータ分析企画「ビリオメディア」の一環で、東大、東北大と協力してツイッター上の投稿から政策関連のキーワードを抽出し、出現回数
などを分析。ネット上の特設ページではツイート数を円の大きさで表示し、マウスを使って他の円をはじくような楽しい動きを実現した。3日付の紙面でも視覚
的な効果を優先し、政党のツイッターの使い方の特徴をレーダーチャートで表した。同社は「ネット空間の動きは、政治や選挙と密接に関係している重要な事象
だと、強く意識した。分析方法を丁寧に伝え、候補者アカウントについても、独自の指標を使って新しい選挙活動の動きを追った」と説明する。
産経新聞は、公示前の世論調査結果を、ネット利用者向けアンケートと比較したほか、公示日4日に候補者204人がツイッターに投稿した延べ1248件か
ら、担当記者が34件を選んで、候補者の地域に表示して紙面化するなど、ネット上の情報を人手で選び出す方法を重視する方針だ。地域差にも注目し、東日本
大震災被災地の岩手県と主に東京都の候補者のツイッター投稿を定点観測している。
有元隆志・編集局副編集長は「公示前から、ビッグデータの扱いは難しいと議論をしていた。記事にするだけの信頼性があるのか。ある単語が頻出していると
分かっても、選挙に関連した話題か分からない。ネガティブな意味か、ポジティブな意味かの仕分けも難しい」と説明した。ビッグデータ分析の際は、静岡大の
佐藤哲也准教授と協力している。
読売新聞は「取材を辞退する」としている。
毎日新聞は西田亮介・立命館大特別招聘(しょうへい)准教授と共同研究プロジェクト「ネット選挙 ツイッター分析」を公示前から実施。ツイッターのつぶ
やきすべてを分析し、ネットに適したデザインで、ツイッターで政策や政党がどう扱われているか示した。世論調査の結果も交えて、紙面で大きく取り上げた。
また、検索大手のグーグルと協力し「未来をつくろう 参院選2013」を公示とともに始めた。サイトにある「〇〇のために、未来を作ろう」いうキャッチフレーズの、〇〇の部分を利用者に書き込んでもらい、その言葉を選んだ理由などをコメントとして投稿できる。
このほか、2007年の参院選から始めたネットで利用者と政党・候補者の一致度を調べる「えらぼーと」も改善。ビジュアルをより進歩させたほか、小中学生向けの「えらぼーとジュニア」もスタートした。
担当の平田崇浩政治部副部長は「ネット選挙で日本の政治がどう変わるかマスメディアとして見極めなければならない。ネットは政治と国民を近づける可能性を秘めているので、選挙後も成果をきっちりまとめ、今後に生かしたい」と話している。
転載元:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130715-00000001-maiall-pol
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